【トヨタホーム体験記】トヨタホームで気密測定(C値測定)を断念した話。断念理由は家作りの特性にある

トヨタホーム
https://www.toyotahome.co.jp/corporate/pdf/p17042002.pdf

こんにちはーちろです。

今回トヨタホームで気密測定をして住宅の性能を改善しようとしましたが、
現地確認した結果「トヨタホームは気密測定しても改善ができない理由」が判明し、結果断念しました。

本記事では気密測定業者とトヨタホーム施工管理、営業と現地協議した結果、
「トヨタホームで気密測定の改善は難しい」となった理由についてお話ししたいと思います。

トヨタホームの特性、性能について知りたい方はぜひご確認ください。

※今回のお家はシンセシリーズ(鉄骨ラーメン構造)についてのお話です。鉄骨軸組(エスパシオシリーズ)では当てはまらないお話となります。

【前提】住宅の気密性とは?

誤解を恐れず超ざっくり話します。
(詳しく知りたい方は「気密 C値」で検索してみてください)

一言「家の隙間がどれだけあるか?」って話です。
気密性が高い場合
家の隙間が小さく隙間が少ない家です。
隙間風が少なく家の冷暖房した空気が逃げない効率的な家となります。

気密性が低い場合
家の隙間が大きく、隙間風が入りやすいお家です。
住居空間と外気が隙間で繋がっているので冷暖房の効率が落ちやすいとも言われています。

高気密な家のイメージ

冷蔵庫、発泡スチロール製のクーラーボックスです!!
冷蔵庫って冷たい空気を逃さないように密封しているじゃないですか。
あんな感じに外気を遮断して効率よく冷やしている感じです。

ちなみに高気密・高断熱を例えるならば、発泡スチロールのクーラーボックスをガムテープで塞ぎ、保冷剤を入れた感じです。
空気も逃げない、外部の熱も遮断→中の保冷剤の冷たさを余すことなく活用!
これが「高気密・高断熱」のイメージです(超ざっくりとしたイメージですよ)

住宅性能を推している一条工務店さんがわかりやすいかなと思います。

【参考】トヨタホームのC値について

営業さんと設計士さんに確認したところ社内資料では
通常仕様:C値2.8(cm2/m2)前後
気密仕様:C値1.8~2.4(cm2/m2)
とのこと。
気密仕様は外壁側コンセントが気密コンセントに変更されてたりします。

私の調査感覚では高気密を謳う木造住宅と比較すれば気密性は悪い部類(隙間が多い)と思いますが、一昔前の鉄骨住宅と比較すれば十分良い値になってきているのではないかと思います。
(普通、鉄骨系のHMはC値を公表しません。木造に負けるから?)

【参考】気密測定のお値段(実際の見積もり)

私が見積もった気密測定業者は2回の気密測定と是邸対応のアドバイスを行う契約で8万前後でした。(ちなみに完成時の1回だけは5万円)
今回家の改善を行う場合は自腹でトヨタホームの職人さんに指示を出すことになるので、20万近くかかっていたでしょう。

【本題】結論:トヨタホームで気密測定しても、家の改修&改善が見込めない。

今回気密測定を実施する目的は下記2点となります。
・「家の性能の評価」
・「家の隙間を埋めて性能向上」

私は”気密測定業者を使い家の品質を高めていきたい”と設計当初から話をしていました。
ですがトヨタホームの建築工法や気密測定に対するスタンスが合わず、
「家の隙間を埋めて性能向上」が達成できないことがわかり断念しました。
(要は、金払って気密測定してもちっとも改善できないってことがわかりました。)

トヨタホームで気密測定を実施で発見した具体的な問題は以下の4点です

・目標性能の合意が得られなかった&是正対応の工数が施主持ち
・鉄骨ラーメン構造の気密向上のノウハウを持つ業者が見つからない
・そもそも気密性を重視した家の構造になっていない(気密層がない)
・工場生産がゆえに性能改善するタイミングがない。(据付時では手遅れ)

理由1:目標性能の合意が得られなかった&是正対応の工数が施主持ち

私が契約したトヨタホームでは気密測定の計測結果(C値)保証の合意を取ることができませんでした(交渉負け)

そもそもトヨタホームは気密に対してそこまで力を入れていないですし、数値は現場の施工状況と間取りや使用により変化するため「C値 XXを保証します」と約束はしてくれません。(約束してくれるHMさんもあります。)

それゆえ施主が気密測定をやるのも自由だが、対応するためには別途工事とみなし工賃は施主負担となるよう言われてしまいました。。
(設計士さんとは「相談して決めましょうね」と言われていたが営業さんが「NO」と言い放った。話違うじゃん)

理由2:鉄骨ラーメン構造の気密向上のノウハウを持つ業者が見つからない

20社確認しました。
鉄骨メーカの気密測定や是正対応のノウハウがある業者もいましたが

鉄骨ラーメン構造に対してノウハウを持つ業者がマジでいねぇ・・・

後述しますが、
鉄骨ユニット工法(鉄骨ラーメン構造)は根本的に仕組みも家の組み立て順序も違うのでお手上げ状態でした。
実際に「営業さん」「施工管理者さん」「気密測定業社」「施主(私)」で現地確認を行いましたが、まぁ話が合わないこと(笑)

(業者)気密層はどうやって形成してるのか→(施工管理)そんなものはない。

(業者)屋根裏の換気?→(施工管理)ない。外気を通気している

(業者)上棟(据付)した時に断熱と気密層はどうなっているか?→(施工管理)もう工場で石膏ボードまで貼られている。そもそもユニット工法に気密層と言う概念がない。

根本構造的に話が噛み合わず、施工管理はだんだんイライラするし気密測定業社は頭抱えて苦笑いしてるし。。。話を聞いている私はハラハラするし。。。
(もう立ち会いたくない)

最終的に業者から
「気密性能を測定することはできるが、是正対応しても効果があるか出たとこ勝負になる。」
と言われてしまいました。
そんな、効果が検証できない追加工事にウン十万と払うほど金はない!

理由3:そもそも気密性を重視した家の構造になっていない(気密層がない)

木造軸組構法で高気密な家を建てる場合は「気密層」と言う層を作成し、外気と内気を遮断します。
(家の空気が漏れないよう密閉する層を作るイメージ)

ところがトヨタホームはその内外を遮断する層がありません。

引用: https://www.toyotahome.co.jp/corporate/pdf/p17042002.pdf

このため、トヨタホームでは「気密層の隙間を埋めて気密性を上げる」と言う改善が一切できません。

私の考察ですが、トヨタホームの気密性は
・ユニットに充填断熱として断熱材をしっかり入れる
・ユニットとユニットの間に対しても断熱材(グラスウール、硬質ウレタン)を敷き詰める
という施工で結果的に隙間が埋まって気密が確保できている気がします。
また基礎断熱仕様により基礎とユニットをパッキンで埋めることで従来の床断熱使用に比べて気密を確保しやすくなっていると思われます。

理由4:工場生産がゆえに性能改善するタイミングがない。(据付時では手遅れ)

通常の家は上棟した時に各層を順番に作成していきます。
外壁、通気層、断熱層、気密層、防湿層、石膏ボード・・・(順不同)

そして気密測定は気密層が完成したタイミングで実施します。
これは石膏ボードが貼られていたら隙間があっても改善できないので気密が確保できたタイミングで実施すると言うことですね。

ところがトヨタホームのユニット工法は・・・・
上棟(据付)した時点で全部終わっている!!

工場で内壁(石膏ボード)まで作ってしまうから、据付した時点でもう気密の改善を行える範囲がほとんどありません

こうなると業者が改善アドバイスしてもできることががほとんどありません。。。

これはトヨタホームなどの工場生産が気密の改善に適さない理由になります。

結果:気密測定しても改善できないなら気密測定する理由もない

上記の通り、トヨタホームと気密測定の相性の悪さがわかったことで
・家の性能を改善できないなら気密測定する理由はない
・住宅完成時に5万払って気密測定しても自己満足にしかならない
(最悪パンドラの箱を開けてテンションを落とす)
と言う点から気密測定を断念しました。

最後に

今回、気密測定を断念しましたが正直落ち込みもありません。
そもそも「鉄骨は気密性が弱い」と認識済みで納得し選択したHMです。
トヨタホームはこの弱点を全館空調や太陽光発電でカバーしています。

今回の一連の作業で「トヨタホームが気密測定に向かない理由が明確にわかった事」が何よりも収穫でした。

これからHMを選択する方、トヨタホームで契約し気密測定を考えている方の参考になればなと思います。

みなさん納得のいくお家づくり頑張ってください!

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